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相続関連

相続登記

相続登記

亡くなった方の不動産を相続する際に必要な手続きが、「相続登記」の手続き。
この手続は、どのようにすればいいのでしょうか。
「そもそも「相続登記」と名義変更はどこが違うの?」
「司法書士に依頼するとどのくらい費用がかかるの?」
まずはそのような基本的なところから、「相続登記」に付いて確認していきましょう。

亡くなった人の不動産の名義変更=「相続登記」

相続登記の意味について、「相続」と「登記」に分けて考えましょう。
「相続」といえば、亡くなった方の銀行口座に残っている預金額や保険金の分配を思い浮かべることが多いかもしれません。
金銭に関することも「相続」といいますが、建物や土地などの物的な財産に関しても、正しく受け継ぐためには「相続」の手続きをする必要があります。
一方「登記」とは、行政に登録することを言います。
不動産は行政に届け出て(登記して)所有権が誰にあるのかを保証することで、所有者を守ることができたり、正しく徴税や補助金の算出ができるようになったりする仕組みです。
「相続」と「登記」について合わせると、「相続登記」は「亡くなった人の不動産の所有権を、相続するために新しく登録する手続き」ということになります。
不動産の名義変更と似た手続きですが、もとの所有者が亡くなっている場合「相続登記」となります。

亡くなった人の不動産の名義変更=「相続登記」

相続登記をするのは誰?

では、相続登記は誰がどのように行うのでしょうか。
ここでは、ひとり親だった父親が死亡し、相続登記を考えている3人の子【A、B、C】について考えましょう。
死亡した父に配偶者がいないため、子3人の法定相続分(相続できる割合)は均等に3分の1ずつになります。
A 持分3分の1
B 持分3分の1
C 持分3分の1
この場合、相続登記はこの内の1人から行うことで他の2人の分をまとめて行うことができます。
つまり、全員の合意があれば子【A】が相続登記を【B、C】の分まで代わって申請することで、問題なく手続きを終わらせることができるということです。
ただ、【A】が全員の合意を得られず自分の持分の3分の1のみを申請するということは制度上一般的ではなく、基本的にはできないとお考えください。

相続登記をするのは誰?

届け出は管轄の法務局へ

相続登記に関する手続きは各自治体の法務局が受け付けています。
法務局には地域ごとの管轄の出張所があるので、不動産がある地域を管轄している出張所を調べてそちらに申請を行うことになります。
下記のURLから検索をすることができるので、調べてみてください。
オンラインや郵送での手続きも可能です。
ただしオンラインでの申請手続きは特殊で複雑ですので、一般の方にはあまりおすすめできません。
法務局の管轄の検索はこちら。

『管轄のご案内 法務局』
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html

届け出は管轄の法務局へ

相続登記の必要書類

相続登記の手続きには、複数の書類を作成・取得する必要があります。
ケースによって必要な書類は異なりますが、一般的に必要となるのが下記の書類です。
1:被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍・除籍・改製原戸籍謄本
2:相続人全員の現在の戸籍謄本
3:被相続人の住民票の除票
4:相続人の住民票(不動産を取得する方のみ)
5:遺産分割協議書(または遺言書)
6:相続人全員の印鑑証明書
7:固定資産評価証明書
8:委任状(司法書士に委任する場合は必要です)

相続登記の必要書類

失敗すると、不利益を生むことも

複数の書類を集めて申請を行うことになる相続登記は、書類の不備も発生しやすい作業になります。
せっかく申請を行った書類が、不備によって差し戻された場合、もう一度書き直す必要が発生することもあります。
さらに最悪のケースは、間違った情報や不利な記載内容がそのまま登録されてしまうこと。
登記を行った内容は基本的には変更することができません。
そのため、財産の分配に不利益が発生してしまう可能性もあるのです。
財産は、親から子へ、子から孫へと受け継いでいくものです。
間違った登記を受け継いでいってしまわないためにも、プロの司法書士に相談することをおすすめしております。

失敗すると、不利益を生むことも

遺産整理

遺産整理

「不動産が複数あり、銀行口座や株式・投資信託など資産を分散しているので自分の手に負えない」
「忙しくて遺産整理をする時間がない」
「手数料を抑えたい」
「その後の相続税の申告から名義変更までトータルで代行してほしい」
相続の手続は複雑で、法律に不慣れな個人では時間的にも限界があります。
東京都千代田区を中心にご相談を承っている当事務所なら、そのような相談を承ることができます。

司法書士の遺産整理って何をするの?

遺産整理とは、被相続人(亡くなった本人)の遺産を整理して相続人へ承継させるための手続き(相続手続き)のことです。
司法書士の遺産整理業務では、相続関係のプロとしてこれらの作業を本人たち相続人に代わって行います。
「相続登記」についてご紹介しましたが、遺産整理は「不動産の相続登記だけ」や「預金の相続手続きだけ」など、特定の手続きだけを依頼するのではなく、相続手続きのすべてを一括して行うことを言います。
全部の手続きをまるっと一貫して依頼できるので、連続性と統一感、スピード感ある手続きをしてもらえることがメリットです。

司法書士の遺産整理って何をするの?

遺産整理業務の流れ

司法書士による遺産整理の大まかな流れをこちらにまとめました。
■遺産整理の手順
◇1:遺言が残されているかどうかを調査
◇2:誰が相続人になるかを確定
◇3:何が遺産になるかを確定
◇4:相続人間で遺産分割協議をする(相続放棄・限定承認をする)
◇5:もしトラブルが発生した場合は遺産分割調停へ
◇6:相続税の申告(節税に関するのアドバイスも行います)
◇7:相続した不動産の登記・預貯金の解約
※上記の手順のそれぞれでするべき相続手続きがあります。

遺産整理業務の流れ

相続で大変な18個の作業をまとめて行います

「存在を知らなかった遺言書が出てきた」
「亡くなった夫の財産を調査したら、隠し借金があった」
など、相続には予測不能な自体が発生する恐れがあり、様々な場合にそれぞれの対応を取る必要があります。
司法書士は遺産整理をまるごと代理できるだけではなく、様々な事態に根拠を持って対応できる心強い味方です。
司法書士が対応できる18の作業をご紹介します。
①「遺言書が出てきた」 →家庭裁判所へ自筆遺言書の検認申立て
②「遺言書があるかわからない」 →公証役場・法務局で検索
③「だれが相続人にあたるかを調べてほしい」 →戸籍謄本等の収集、法定相続情報一覧図など資料作成
④「亡くなった人の遺産がどれだけあるか調べてほしい」 →不動産、預金・株式・投資信託・会員権などの残高証明の請求、債務、生命保険契約などの調査、遺産の範囲の確定と遺産目録の作成
⑤「遺産の分け方が知りたい」 →遺産分割協議のアドバイス、遺産分割協議書の作成
⑥「他の相続人と連絡を取りたい」 →電話や郵便でご相続人へ経緯を説明、相続人会議の開催
⑦「相続人に認知症患者がいるので成年後見の手続きをしたい」 →家庭裁判所にて成年後見人の選任の手続き
⑧「相続人に行方不明がいるのでその手続きをしたい」 →家庭裁判所にて不在者財産管理人の選任の手続き
⑨「相続放棄をしたい」 →家庭裁判所にて相続放棄の申述の手続
⑩「相続人に未成年者がいるのでその手続きをしたい」 →家庭裁判所にて特別代理人の選任の申し立て
⑪「相続の話し合いが決裂した」 →遺産分割調停の申し立て、弁護士の紹介
⑫「不動産の名義変更をしたい」 →不動産の相続登記手続き
⑬「不動産を売却・処分したい」 →信頼できる不動産仲介業者の紹介
⑭「故人の会社の登記をしたい」 →会社法人等の登記手続き、事業承継・廃業の手続き
⑮「預貯金、株式等の手続きがしたい」 →金融機関への解約・変更手続き
⑯「相続人へ遺産を分配したい」 →分配の振込手続きなど
⑰「相続税の申告、確定申告をしたい」 →提携の税理士の紹介や節税のアドバイス
⑱「遺品の片づけ・貴重品の捜索をしたい」 →提携の遺品整理業者の紹介。

相続で大変な18個の作業をまとめて行います

遺産整理を司法書士に依頼した場合に必要なこと

まず、印鑑証明書をご用意ください。
ご本人のみが申請できる書類のため、ご用意いただいています。
次に、遺産調査に関する情報提供をお願いします。
隠れた遺産などを見逃さないためにも、相続人の方々が一丸となって遺産を洗い出し、遺産の範囲の確定を行います。
・通帳
・株式等の取引明細
・権利証
・登記事項証明書
・固定資産税の納税通知書
・保険
・年金に関連する資料
など、亡くなった方の遺産と思われる情報の提供をお願いします。

遺産整理を司法書士に依頼した場合に必要なこと

遺言書

遺言書

遺言の作成も、司法書士がサポート。
有効性の確かな公正証書遺言の作成のサポートを始めとして、遺言書作成作業のあらゆる面をサポートいたします。
・自筆証書遺言の保管制度の利用のご案内
・家庭裁判所への検認手続きの申し立て
・遺言執行者の選任まで
後世へ問題を残さないようにするためにも、遺言の作成を検討してみませんか。

預金・株式・投資信託などの相続

預金・株式・投資信託などの相続

亡くなった人に預金口座・貯金口座があれば、これらの相続手続きが必要となります。
また、証券口座があれば、口座に保管されている株式や投資信託などの相続手続きの対象となります。
さらに、非上場会社の株式も同様に相続手続きが必要です。

手続きの流れ

基本的に、預金・株式・投資信託の相続手続きで訪れる窓口はそれぞれの財産が預けられた金融機関ということになります。
携帯電話の解約を行うときに、各携帯電話会社に連絡しなければならないのと基本的な部分では変わらないといえます。
1.金融機関等に相続開始の連絡(契約者が死亡したことを伝える)
2.金融機関等に相続手続きのための書類を請求(残高証明書)
3.金融機関等へ各種書類を提出
4.手続き完了

手続きの流れ

相続が開始すると口座は凍結される!?

銀行が、口座名義人が死亡した事実を知った場合、「遺産分割協議」(だれがどれだけ相続するかの話し合い)が終了するまで、預金の引き出しを停止します。
これは相続の割合が決まる前に財産を不正に分配してしまうといった事態を防ぐための措置です。
相続人は銀行預金などの分割をするために契約者死亡の連絡をします。
そのときから、「遺産分割協議」が完了するまでは、葬儀費用の引き落としなど特殊な事例を除いて口座が凍結されます。

相続が開始すると口座は凍結される!?

遺産分割協議|遺産分割調停|相続人会議

遺産分割協議|遺産分割調停|相続人会議

亡くなった人の遺産を相続人全員で話し合い、分割することを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割に関しては、揉めやすい印象を持ちかもしれません。
揉めることなく、円滑に行うためにはどうすればいいのでしょうか。
遺産分割協議を成功させるためのポイントについて解説します。

遺産分割のポイント① 遺産分割はいつでもできる

遺産分割の作業は、実はいつ行ってもいいことになっています。
慣例として、相続税の申告期限内(相続を知った日の翌日から10か月以内)や、遺族が集まるお葬式の際に遺産分割協議を行うことが多いですが、「死後○か月以内にしなければならない」という決まりは法律上ありません。
相続税の申告が不要な場合もあり、そのような場合はあまり急いで遺産分割をする必要はないということもできます。
お葬式などの一連の弔事が終わったあとでゆっくりと話を始めてもいいことなのです。

遺産分割のポイント① 遺産分割はいつでもできる

遺産分割のポイント② 事前に法律上の相続人を明らかにする

遺産分割は相続人同士でおこなうものなので、法律上の相続人が誰なのかを明らかにする必要があります。
法律上の相続人は、亡くなった方の戸籍謄本を取り寄せることで知ることができます。
亡くなった方の戸籍を死亡時から出生時に遡るように取り寄せていくことで、過去の婚姻歴・離婚歴・養子縁組の遍歴がわかります。
場合によっては、身近な親族でさえも知らなかったような相続人が発覚することも。
徴収した戸籍は、いずれ相続手続きで必ず必要となるので、先に取得して心構えをしておきましょう。

遺産分割のポイント② 事前に法律上の相続人を明らかにする

遺産分割のポイント③ 遺産の内訳を明らかにする

遺産を分けると言っても、何が故人の遺産なのかが分からなければ分配の仕様がありません。
そこで、知りうる限りで遺産をリストアップする必要があります。
客観的な資料が必要となりますから、不動産であれば登記事項証明書や固定資産税評価証明書、預貯金・株式の金融資産であれば通帳のコピーや残高証明書等を取り寄せます。

遺産分割のポイント③ 遺産の内訳を明らかにする

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員の協議で行う話し合いです。
全員が集まって話し合いを行う必要はなく、正確に意思の疎通ができれば電話や手紙、メール、テレビ電話などの方法であっても問題はありません。
遺産分割に非協力的な人がいなければ、基本的には遺産分割協議による遺産分けが行われます。
しかし、遺産分割協定は親族間での自主的な話し合いなので、流れが滞ることもありがちです。
きちんとした進行役(代表相続人)がいないと協議が進まないのが欠点です。
どうにも進まなくなったら、なるべく早い時期に司法書士に相談するべきです。

遺産分割協議

遺産分割調停・審判(裁判)による方法

相続人同士の遺産分割協議が合意に至らない場合や、そもそも協議自体ができないというときには、「遺産分割調停」を申し立てることで解決することができます。
遺産分割調停は裁判所を通して行う話し合いのことです。
裁判所の拘束力をもって行うので、相続人全員が遺産分割調停手続きに参加することを強制できます。
「調停」と「審判」があり、「調停」では調停委員とよばれる担当者が、相続人それぞれの意見や主張を個別に聞いて遺産分割の合意を目指します。
調停では1~2か月に1回程度、平日に指定されて裁判所に呼び出されます。
ハードですね。
遺産分割調停をしても全員の合意ができない場合は、「審判」を行います。
遺産分割審判は、財産相続を裁判で決着づけるというようなイメージです。
相続人全員の合意は関係なく、裁判官が相続人の主張を聞きながら遺産分割の内容を決定します。
制度上は「審判」を申し立てることも可能ですが、通常は「調停」から入ります。
仮にはじめから「審判」を申し立てても、裁判所から差し戻されるのが普通です。
遺産分割調停や遺産分割審判となると、裁判と同じような状況となるため、代理人として弁護士を立てることもできます。

遺産分割調停・審判(裁判)による方法

遺産の分け方① 現物分割

遺産(特に土地など)の形状や性質を変更することなく、そのまま分けます。
遺産は、できる限り現物をそのままの状態で受け継がせるのがいいとされているので、基本は現物分割での相続を目指します。
ただ、土地などは面積で分割した際に価値に差が生じる場合などがあり、単純には分けられないこともよくあるので、②、③のような分割方法が採用されます。

遺産の分け方① 現物分割

遺産の分け方② 代償分割

特定の相続人が相続分を超える遺産を現物で相続し、代わりに現物の取り分が減った他の相続人に対して金銭等を支払う方法です。
この方法がよく使われる例として、亡くなった人と相続人の1人が同居する自宅のみが相続対象である場合によく利用されます。
実際に住んでいる家を現物として分割することはできないため、他の相続人分をお金で補うことで代償します。
代償金の支払いはトラブルを防ぐために基本1回払です。

遺産の分け方② 代償分割

遺産の分け方③ 換価分割

遺産をとりあえず売却して金銭にし、その代金を分割する方法です。
現物分割が難しい場合や、代償金の支払いができない場合には、換価分割を検討することになります。

遺産の分け方③ 換価分割